さがしている
言葉にできないほどのそれが言葉になってしまう一瞬前のことを
ひとりであるのにひとりでないその瞬間を
なぜ 涙が出るのか、なぜ、ことばがみつからないのか
わたしたちがわたしたちであることは
わたしたちが暮らすことであった
どこへいっても美しいのに
どこへいっても普通でいつもどおり
ひとにふみこみ 自然にふみこみ
わたしのからだは今日も醜く 心は空っぽ
それでも 今日はつぼみが膨らんだとか まだつぼみのままだとか
洗濯の音 雨の匂い 鍋の湯気
あなたといること 風が吹くこと 海があること
そんなものを見つめ、耳を澄ませているのでしょう
美しいことはちいさくて さびしくて とるにたらない石ころのよう
かなしいことはおおきくて 波のよう
すべてを否定せず 達観も要約もせず
名前のないままに そのまま 飾らずわたしは唄う
風になる 海になる
そのとき 鳥のさえずりも 風のそよめきも いつもよりいくらかよく聴こえる
すべてが近くにやってくる 境界がぼけていく
I’m looking for, the moment just before “what it transcend any words” becomes verbal, the moment when I feel I’m alone, but not alone.
I travel beautiful places, but I’m as usual.
I step into others, into nature, but my body is still ugly, my heart is empty.
Even then I find sound of wash, scent of rain, steam from pot. I won’t forget I’m with you, wind blows, and the ocean is with me.
What is beautiful is like a trivial stone. It’s tiny, and lonely.
What is sad is like a wave in the ocean. It’s even huge.
I won’t deny anything with neither being philosophical nor summarizing. I seek the moment before “it” is named and I keep singing of everyday life as I am. I can be wind, be the ocean.
At that time, I can listen to the birds singing, the wind whispering better.
The closer everything comes, the more the border get blurred. Finally, just one second, it’s gone.
hana yamashita
2000年生まれ。熊本県出身。
2019年 大阪大学法学部国際公共政策学科入学。
2020年より写真家として活動することを志し、独学で写真を学び、作品制作を開始。
2021年に大学を休学。アドレスホッパーとして日本中を旅し、「旅と日常と孤独」をテーマに地域密着型のドキュメンタリーを制作。2022年よりヨーロッパや東南アジアへ出向き暮らしを作ることを含めた制作をする。
どんなものも否定や批評を目的とせず、ただともに在ること。 言葉による共有された幻想としてでなく、主観と主観の重なり合いの上で。 あらゆるものが関わり合い、溶け合い響き合う様に、あなたとわたしがその感動を分かち合えること。 流れ着き、そこに生き、あるがまま暮らすこと。 日々の暮らしの中で、色を見、音を聞く刹那。それが何であると名付けるよりも一歩手前で、世界の原点に出会うことができるのではないだろうか。 それこそが、これまでのほとんどすべての美術を乗り越えるために、私が私として生きるために、私自身に課そうとした主題であるように思います。
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To be with everything, denying or criticizing in anytime. To share feelings between you and I like everything echoes and melts each other based on the piled many subjectivities, not on a common fantasy constructed by languages. I believe, we can encounter the origin of world at the moment just before I name “it” when I see some colors or listen to sounds in our daily lives. This is a subject that’s entrusted myself to overcome almost all history of art and to live.
Exhibition
2021/06/12.13
Gallery komorebi, Nishinomiya, Hyogo
next..2023/08/05~ Fujiyoshida, Yamanashi